2021年 度 活 動 方 針 

 1 情勢の特徴

1.はじめに

新型コロナウイルス感染は、全世界規模で災厄をもたらしています。

世界のコロナ感染者数は1億5600万人、死者は326万に達しました。日本でも累計62万6814人が感染し、1万1477人(21,5.15時点) が亡くなっています。米国では57万人、ブラジルで41万人、そしてインドで23万人の人々が命を落とし、変異した新生ウイルスの出現によって、その勢いは収まる気配をみせません。

国連・持続可能な開発サミットが定めたSDGs達成目標の2030年に、約10年を前にして、世界はともに苦しみ未来のあり方を模索しています。

21世紀の先進文化も、RNAウイルスにこれほどに無力であったのかと驚かされます。

そして、放置されてきた貧困と格差が、感染拡大の主要な原因であることがあらためて明らかになっています。

コロナ禍とは、公衆衛生の課題だけでなく、人類に対するより高次元の示唆だったのではないでしょうか。都市を中心に発展し、経済成長し続けなければ貧困に陥る社会構造に、つよい警告となっているのがコロナ禍であるのかもしれません。都市の膨張がつづく限り新たに変異し、蘇生するウイルスの感染を防ぐことは出来ません。

2001年から始まる「構造改革」路線、そして竹中平蔵氏が旗振り役となって進められた「骨太の方針」は、医療制度改革と称して、つねに保健衛生分野の人員、予算の削減を進めてきました。予防医療と公衆衛生の柱である地域の保健所をやり玉に挙げ、コロナ危機に立ち向かう保健衛生機能を「骨太」どころか痩せさせてきたのです。また、国立感染症研究所など感染初動の検知体制の力を弱くしてきたのも、これら新自由主義と「聖域なき構造改革」路線でした。 原子力発電所が自然災害によって巨額の処理に追われているのと同じように、保健医療の縮小は、今になって膨大な感染対策のリスクに追われています。

世界全体がコロナ感染に苦しみ、ワクチンの平等な分配に苦慮している時、武器のために使われているお金は減ることがありません。

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、2020年の世界の軍事支出が1兆9810億ドル(約214兆円)だったと発表しました。世界最大の軍事費をもつ米国は4.4%増の7780億ドル、それは世界の軍事支出の約4割を占め、2位の中国は1.9%増の2520億ドルです。

日本も軍事費は476億ドルに上っています。廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲さんは、日本が戦闘機や武器などに今年度払う物件費の1.1兆円(防衛費の5分の1)を新型コロナウイルス対策に使ったら何ができるかを試算しました。集中治療室のベッド1,5万床、人工呼吸器2万台が買え、看護師7万人、医師1万人の給与を賄える額であると発表しました。

また、この事態にあって弱者への冷遇と暴力が強められています。とくに女性に対する暴言暴力が際立つ社会になりました。

昨年、11月16日、住むあてと職を無くした女性が渋谷区のバス停で殺されました。コロナ禍の人と人を離す距離が、社会の距離感となって憎悪、虐待をも生み出す社会となっているのです。

また、トランプ前大統領発言も相まって、アジア系の人々への暴力、ヘイトクライムが欧米で起きています。国連人権委員会が懸念してきた排外主義と差別が現実のものとなっています。

2年に達しようとするコロナ感染により、経済は打撃を受け、その影響が弱者にさらに牙をむけています。日本において、最も深刻な条件に追いやられているのは、フリーランス、日雇い派遣など非正規の人々です。総務省が3月2日に発表した労働力調査(2021年1月分)では、正規の労働者数は3,352万人(前年同月比:36万人増)、非正規の職員・従業員数は2,058万人(前年同月比:91万人減、11ヵ月連続の減少)で、完全失業者数は197万人(前年同月比:38万人増、12ヵ月連続の増加)となっています。

また、厚労省は3月26日時点のコロナ禍関連による解雇や雇止めは、見込みを含めて98,163人と発表しました。加えて、コロナ禍関連倒産件数は3月12日時点の累計で1,150件となるなど、コロナ禍は、雇用環境をさらに悪化させています。全雇用者の32%が年収200万円未満であり、日本人の3割が「最下層」に位置づけられる状況です。

国際通貨基金(IMF)は昨年末、2020年の世界経済見通しをマイナス4.4%とし、景気減速による失業や破綻、債務などに伴う20─25年の経済損失が最大28兆ドルに達する可能性があり、21年以降の世界の中期成長率は3.5%近辺にとどまる恐れがあるとの認識を示しています。

新型コロナウイルスの災厄は「戦争」という主張があります。

たしかに、医療従事者たちが体験している現場はこのように形容される状況であるかも知れません。しかし、新型コロナ感染問題は「戦争」ではありません。戦争の比喩は他者への批難と攻撃を正当化するものです。

 コロナの供給で、南北格差、途上国への配分の遅滞があってはならず、世界が「持続可能な社会」に向かって団結することが求められています。

2.前首相と前・米大統領がもたらしたもの

2020年秋、日本では安倍政権が退陣し、アメリカではトランプ共和党政権が終焉をみました。

皮肉にも国を強くすることが社会問題の解決策と主張する二人の政治家が、新型コロナ対策に無力であったことを証明しつつ舞台から去りました。

二人の政治家は、「追われる国」の経済停滞から生じる国民の不安、焦慮を他者への憎悪と烙印に変え、国の誇りという右翼ポピュリズムを焚きつけ、またこの感情に支えられて、緊張の時代をリードしてきました。

2020年8月28日、安倍前首相は辞任を表明、7年8か月にわたる第2次安倍政権が終わり、臨時国会の9月16日、第99代内閣総理大臣に菅義偉氏を選出しました。

安倍政治とは、憲政史上、最も憲法を蹂躙した政権だと言えます。

彼は、首相就任以前に「憲法の前文は敗戦国のいじましい詫び証文」と語り、元軍隊慰安婦や南京事件を否定する自民党歴史修正主義グループの中心メンバーでしたが、政権獲得後、靖国・教科書・尖閣諸島国有化から派生した外交上の緊張をむしろ国家主義増勢のテコとして利用してきたのです。

日本駐在の南ドイツ新聞は、安倍政治は「加害の歴史を被害の歴史にすり替えて国民の喝さいを得」た、と評論しています。

政権を得た彼は、秘密保護法、共謀罪、安保法制、国家安全保障会議(NSC)創設、ソマリア・中東湾派兵、辺野古新基地建設、そして敵基地攻撃構想と枚挙にいとまなく、歴史修正主義を実際の外交として実践しました。残念ながらこれが安倍人気、高支持率を支えてきた本源です。政権は国民の右翼的気分を鼓舞しながら、またこれに応える政策を強行してその支持基盤をつよめる「宣伝と政策の循環」を演じました。

安保法制を頂点とした憲法否定の政策がつくられてしまった問題性もさることながら、国民の右翼的気分を時代精神にさせてしまった問題性をみないわけにはいきません。

3.憲法をめぐって

安倍改憲の路線を継承して、菅義偉内閣のもとで、憲法改悪の計画が着々と進められています。自民党憲法改正推進本部、本部長の衛藤氏は12月2日、改憲団体「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の集会に出席し、憲法改正の国会発議について、「たとえ一部にちゅうちょする政党があったとしても、信念をもって憲法改正を提案」すると述べ、憲法審査会に脅しをかけ、法の修正が課題となっていた国民投票法の改正を待たずに国会発議を行うことも示唆しました。また、本年4月20日には、安倍前首相を自民党憲法改正推進本部の最高顧問に据え、あらために改憲姿勢を露にしました。

日本中がコロナ禍で苦しむ中、与党は、憲法改正手続きの最後のハードルである国民投票法の改正に着手し、5月6日、衆院憲法審査会で国民投票法の改正法案を与党、立民、国民の賛成のもと改正案を成立させ、参議院審査会に送りました。

国民投票は候補者を選ぶ選挙ではありませんが、憲法の条文の是非を問う投票であり、公職選挙法以上に、事前運動の公正さと厳正さが求められるはずです。CMやネット規制、運動資金の上限や透明性など重要な課題の議論が尽くされていない中、5月6日の衆院憲法審の合意は、改正条文の本文ではなく、改正法の附則にこれらの課題を掲げる「妥協」となっています。

附則4条は、「国は、この法律の施行後三年を目途に、次に掲げる事項(広告放送及びインターネット等を利用する方法による有料広告の制限等)について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする」とあり、「三年を目途」という政治的な意味がさらに曖昧な内容です。

また、最低得票率、投票のインターバル(否決されと改正案を再度発議することを期間制限する)については不問となりました。

5月3日の憲法記念日に、改憲派の集会にメッセージを寄せた菅首相自身が述べた様に、国民投票法改正は「憲法改正の議論を進める最初の一歩」であり、今回の成立は、「改憲手続法」というべきもので、右派政党主導の「改憲ありき」の動きです。

参議院憲法審査会は、国民投票法について、この間審議を行っていません。最大の民主主義手続きであるはずの国民投票法が、憲法の安易な改「正」の手続きの橋渡しになってはなりません。

参議院での審議は、衆院からの改正案議論にとどまることなく、国民投票について抜本的な議論が行われるべきです。

自民党政権は、安倍前首相時代の「森友・加計学園」問題、「桜を見る会」疑惑、検察庁法改正案をめぐる失態、また河井克行前法相・案里参院議員の公職選挙法違反、それにつづく菅政権による日本学術会議の新会員任命拒否問題、また、菅首相の長男が勤務する東北新社が総務省官僚を繰り返し接待していた問題、さらにはNTTでも同様の違法接待の実態が明らかになり、さらに衛星放送事業の許認可や、菅首相本人がすすめてきた携帯電話料金引き下げとの関連が指摘されており、政治腐敗が官僚機構を巻き込んで極限に進行してきたことを表しています。

安保法制違憲訴訟は、2016年4月以降、全国22の地方裁判所に25の裁判を、原告合計7,699名が提訴し、「安保法制の制定等によって被っている精神的苦痛の国家賠償と、集団的自衛権の行使は違憲」であることを求めています。この裁判は、女性の視点から安保法制の問題点を訴える「安保法制違憲訴訟女の会」の活動など、多くの人々の活動に支えられてきました。

しかし、2019年の札幌地裁、東京地裁に続き、2020年大阪地裁、東京地裁、高知地裁、那覇地裁、前橋地裁の5件の提訴について判決がでましたが、いずれも裁判所は憲法判断を避け、「安保法制は制定されたものの、現に日本が他国による武力行使の対象とされていない。原告らの生命・身体の現実的危険性はない」と、2019年11月の東京地裁判決を模した判決になっています。

このような流れの中にあって、前橋地裁では裁判長自らが安保法制法の違憲性を争点整理として書面を作成し、宮ア礼壱元内閣法制局長官、半田滋元東京新聞論説委員、憲法学者の志田陽子武蔵野美術大学教授の3人を全国で初めて証人尋問を行いました。

東京の国家賠償請求訴訟では、2021年1月13日に第1回口頭弁論が開かれ、半田滋氏の証人尋問が認められています。

横浜地裁を舞台にたたかわれている安保違憲訴訟かながわの会の訴訟も、今年、重要な段階を迎えています。厚木基地、横須賀基地を抱え「いずも」や米原子力空母などを有する神奈川で、安保法制によって侵害されている平和の危機をいかに司法でただすのか注目されています。

安倍改憲に反対する労働者と市民の運動は、2013年から長い期間、継続した取り組みを行ってきました。戦争をさせない1000人委員会を軸に、総がかり行動実行委員会や全国市民アクション、また、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合など中央段階では野党共闘と連携した運動体が形成されています。

衆院選での与党改憲派に対抗する全国および神奈川県内での共闘が求められます。

5月6日の衆院憲法審査会での野党の対応は、今後の取り組みに影を落とす事態でした。今後、参院での国民投票改正案をめぐる審議を通じ、改憲に反対する野党各党派の共闘・連携の再強化が期待されます。

4.米中新冷戦と「安全保障環境」

台湾をめぐり、米中は新冷戦といわれる緊張関係に入っています。

安保法制の集団的自衛権に基づいて、日本もこの緊張の渦の中に引き込まれようとしています。4月17日、菅首相とアメリカのバイデン大統領は、日米首脳会談を行い、共同声明を発表しました。

『自由で開かれたインド太平洋を形作る日米同盟』と題するその声明には、

◆日米両国は、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設、馬毛島における空母艦載機着陸訓練施設、米海兵隊部隊の沖縄からグアムへの移転を含む、在日米軍再編に関する現行の取決めを実施することに引き続きコミットしている。

◆米両国は、在日米軍の安定的及び持続可能な駐留を確保するため、時宜を得た形で、在日米軍駐留経費負担に関する有意義な多年度の合意を妥結することを決意した。

◆日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」。 とあり、台湾海峡を同盟の課題とはじめて位置づけるものでした。

1月20日に就任したバイデン大統領は、「傷ついた同盟関係を修復する」とし、トランプ前大統領以上に、日米同盟など軍事的な関係を再整備、再強化しています。

中国が急速に軍事強化を行い、GDPにおいても米国を猛追しアメリカの経済的な覇権がすでに崩れつつある中、バイデン新大統領によって新たな中国包囲網が造り出されているのです。

一方、自民党の国防部会からも「台湾海峡有事を集団的自衛権行使の対象にすべき」との冒険主義的な声があがり、2015年制定の安保法制の実践(実戦)の引き金となる可能性も捨てきれない情勢です。

中国に対峙した、日本、米、豪、印の戦略的枠組みQUAD(クアッド)、さらにこれに英国、カナダ、ニュージーランドを加えた5カ国が、安全保障上の機密情報を共有する「ファイブ・アイズ」への日本参加の検討など、着々と対立構造を強めています。

米国のインド隊太平洋軍のデービットソン司令官は、中国が2027年までに軍の現代化を達成する中、「台湾への脅威は今後6年以内に明白となる」とも述べ、軍事的な対抗姿勢を露らにしています。

かつてアメリカは、1972年のニクソン大統領の中国訪問と共同コミュニケで「ひとつの中国」を承認しています。しかしその後、米国内の保守派の巻き返しで、1979年「台湾関係法」を成立させ台湾に一定の援助を行ってきました。日本は、1972年の日中共同声明で「ひとつの中国」を認めてきた経過があります。

民族自決権と民族国家の形成は、その民族自身が他国の干渉を受けることなく自主的に決定することができる権利です。

しかし、民族国家の形成は、人権侵害や言論封殺、反対意見を表明する人々の拘束、暴力などの手段によって進められてはなりません。

たしかに中国は、香港、新疆ウイグル自治区での政治弾圧や民族抑圧、市民の言論の自由を封じる人権抑圧政策を強めています。また、クーデターよって再び政権を奪取したミャンマー軍事政権を擁護し経済的な支えとなっています。

中国は、これらの人権侵害、人権抑圧の政策をあらためなければなりません。日本が朝鮮半島・中国大陸・東南アジア侵略でかつて行ってきたこと、また、アメリカがウンデッドニーの虐殺などネイティブアメリカンを虐げてきた歴史を、中国は繰り返してはなりません。

そのうえで、中国民族が大統一を行うのも、分立独立するのも、そこに住む人々自身が平和的に決めるべき問題です。

安倍前首相は、「価値観外交」という言葉で、1972年日中共同声明の原則から転換し、「価値」の違う中国との対立を鮮明にさせました。いま尖閣諸島問題が生じ、菅内閣による米国ら中国包囲網に組みする政策に引き継がれています。

私たちは、東アジアにおいても他の地域においても「武力による現状変更」を支持しません。また一方、たとえ人権課題があるにしても、これを利用して武力による干渉、挑発を行ってはならないと考えます。

今日、日本と中国の外交・安全保障関係が、憲法9条改憲への意識を揺り起こしているのではないでしょうか。しかし尖閣問題について、国内で報じられる情報は一面的な点もあり、高野孟氏らが追跡している日本の右翼政治家グループによる尖閣諸島付近の挑発行為については報じられていません。日本は、1972年の日中共同声明、ならびに1978年日中平和友好条約の精神に立ち返り、尖閣諸島問題を含め地域外交において、真の「平和的」解決を遵守すべきであり、そのためにも、憲法9条の平和原則を変更してはならないと考えます。

5.歴史の中の朝鮮半島情勢

朝鮮半島の非核化と朝鮮戦争の「終戦」に向け、2018年から韓国と朝鮮の南北対話と米朝首脳会談の画期的な流れが一時的な動きに戻りつつあります。

米新大統領は、対朝鮮政策は未だに不透明で、半島の緊張緩和の道は遠いと言えます。

一方、2019年秋から、朝鮮半島の平和交渉は進展をみせず、加えて徴用工裁判に端を発した輸出規制の問題をめぐって、日本と大韓民国との関係が極度に悪化し、地域の政治情勢は混迷を深めています。

日本政府が1965年の日韓協定によって「解決済み」として向き合わない韓国元徴用工問題では、被告企業の日本製鉄に対して、韓国内の資産差し押さえ売却に関する書類を受け取ったと見なす「公示送達」の効力が2020年12月9日に発生しました。

日本製鉄は差し押さえを不服として即時抗告を行っており、日本政府も和解の道に反対し、日韓関係は改善の見通しが立っていません。

また、2021年1月8日、日本軍慰安婦の被害者12人が日本政府を相手に損害賠償請求した裁判で、ソウル中央地裁が請求通り1人あたり1億ウォンの支払いを命じる判決を出しました。日本政府は、国家は他国の裁判権に服さないとする国際法上の「主権免除」を主張して訴訟に関わらないとしてきましたが、ソウル中央地裁は、慰安婦の動員は「人道上許されない犯罪」として主権免除を適用すべきではないと判断しています。その上で、判決は、@侵略戦争遂行のための組織的に作られた制度であること。A動員の過程で、誘拐や拉致などによって強制されたこと。B慰安所に監禁し恒常的な暴力・拷問・性的暴行などがあったことなどを認定し、主権免除は国際慣習法だが、現在は例外事由を認める相対的主権免除理論が台頭してきており、本件のような人道上の国際協約にも反し他国の個人に重大な損害を与えた国家が、主権免除を盾に賠償と補償を回避しようとすることは主権免除の理論の形成主旨とは相容れず許されないとしています。

日韓問題に対する日本のマスコミ報道の多くが、韓国批判の姿勢を強め、「韓国に対し弱腰になるな」とナショナリズムの論調に傾いています。

昨年8月15日、韓国光復節で演説を行った文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「政府は司法部の判決を尊重し、被害者が同意できる円満な解決方案を日本政府と協議してきましたし、今なお協議の扉を開け放っています。私たち政府はいつでも日本政府とテーブルに着く準備ができています。一人の人権を尊重する日本と韓国、共同の努力が両国国民の間の友好と未来協力の橋になると信じます」と語りました。

問題は過去の歴史の中にあり、解決の糸口も歴史の中にあるはずです。

1996年の国連人権委員会へのクマラスワミ報告は、「日韓請求権協定には個人請求権は含まれない」との見解を述べており、1965年日韓条約と請求権協定は、この締結によって植民地時代を含む全ての問題を終了させているものではありません。

6.平和・基地問題

@専守防衛からの逸脱と日米同盟

2021年度の防衛費当初予算は、9年連続増となる5兆3422億円を計上しています(2020年度予算額は5兆3133億円、対前年比0.5%の伸び)。ミサイル防衛システム、宇宙・サイバー関連のほか、敵基地攻撃に結びつく装備・技術開発に予算をつぎ込んでいます。中でも日米軍事一体化の中、米国の対外有償軍事援助(FMS)が際立って拡大しているのが特徴です。コロナ問題と財政規律が問われている中、防衛費の突出は異常です。

昨年4月、防衛省設置法を改正し、航空自衛隊に「宇宙作戦隊」を新設し、同部隊を空自の府中基地内に発足させました。そのほかに、自衛隊指揮通信システム隊の下に陸海空自衛隊の共同部隊として現在ある「サイバー防衛隊」を、2023年度までに防衛大臣直轄の「サイバー防衛部隊」へと新編する準備が進められています。さらに、無人機RQ-4Bグローバルホークの臨時偵察航空隊を3月18日付で三沢基地に発足させました。

昨年12月18日の閣議で、イージス・アショアの代替策としてイージス艦2隻と地対艦ミサイル誘導弾の飛距離を延ばした「スタンド・オフ・ミサイル」の開発を進める閣議決定しました。続く21日には2021年度予算案を閣議決定し、防衛費は9年連続増となる5兆3422億円を計上する(2020年度予算額は5兆3133億円、対前年比0.5%の伸び)です。

ステルス戦闘機F35Aに搭載する長距離ミサイル(JASM:射程500km・ノルウェー製)の取得費149億円、射程900kmのミサイル(JASSM-ER・米国製)を搭載するF15戦闘機の改修費(概算要求額213億円)は見送られたものの、敵基地攻撃には欠かせないスタンド・オフ電子戦機の開発費100億円を充てました。また、放物線を描く極超音速滑空ミサイル攻撃に対応するとして米軍が2025年以降に運用をめざす「衛星コンステレーション」(人工衛星群)についても、日本政府として参加の意向を示し、調査研究費として2億円を計上しています。さらに、昨年5月に航空自衛隊に「宇宙作戦隊」がつくられましたが、宇宙領域における指揮統制を担う部隊として「宇宙作戦群(仮称)」を新たに編成するとしています。こうした宇宙分野における防衛費は659億円に上ります。

昨年12月18日の閣議決定は、「敵基地攻撃能力の保有」の明言は避けたものの、実質的な敵基地攻撃につながる装備・技術開発が着々と進められており、日本の防衛政策の国是であった「専守防衛」から、はるかに逸脱する実態です。

安保法制は、集団的自衛権を制度的に容認しましたが、すでにその先行的な試行、実践化が顕著です。

その総括的な表現が、30防衛大綱で打ち出されている「多次元統合防衛力」、「領域横断作戦」の概念です。

多次元統合防衛力とは、その説明の中で、新たな領域である「宇宙・サイバー・電磁波」分野を挙げ、また従来の領域として「陸・海・空」を挙げています。しかしそれは、自衛隊内の「陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波」だけでなく、同じく30防衛大綱が述べている様に「日米同盟が我が国の安全保障の基軸」の方針と結合した考え方です。米軍との多次元(戦略指揮だけでなく部隊指揮レベルも含む)の連携を指すものであり、米海軍、米海兵隊や米陸軍の隔たりもなく、また海上自衛隊、航空自衛隊、陸上自衛隊の区別なく、「領域」を「横断(クロス・ドメイン)」して臨む日米共同行動の進化を表しています。

これらクロス・ドメインが、部隊の所属を超越した全国各地での日米共同行動に現れています。

2019年4月30日から7月10日まで70日間におよんだ空母型護衛艦「いずも」および汎用護衛艦「むらさめ」「あけぼの」が参加した「平成31年度インド太平洋方面派遣訓練」(航空機5機、800人が参加)は、米、豪、カナダの艦艇も参加する4ヶ国共同訓練となっています。海自艦艇は、復路で、ふたたび南シナ海に入り、6月10日から3日間、米海軍が名づける「航行の自由作戦」に米原子力空母R・レーガン部隊と共同巡行訓練に従事しました。

米軍B2戦略爆撃機と自衛隊機の合同訓練、インド洋で日米豪印の海軍共同訓練「マラバール2020」、九州地方では米海兵隊と陸上自衛隊の「水陸機動団」の合同演習、岩国基地所属の米海兵隊が自衛隊の岡山県日本原演習場を使用した訓練、さらに、敵基地を先制攻撃することを目的とする米国の統合防空ミサイル防衛(IMAD)に自衛隊を組み込み、「日米共同統合防空・ミサイル防衛訓練」など、集団的自衛権そのものといえる日米軍事訓練が「領域横断」的に行われています。

米インド太平洋軍・デービッド司令官は、3月1日、沖縄からフィリピンを結ぶ「第1列島線」に地上配備型ミサイル網を構築するための予算要望を米議会に出し、バイデン大統領も在日米軍の態勢調査を行う指示を出し、日米防衛・外務の安全保障協議会(2プラス2)を経て、米中距離ミサイルの日本配備に向けた地ならしも進行しているのです。

5月15日、陸上自衛隊は霧島演習場(宮崎県、鹿児島県)で日米仏の陸上部隊が国内で初めての実動訓練をしています。3カ国の計約190人がヘリを使い「水陸両用作戦(ヘリボン)」や市街地戦闘訓練などを実施、この訓練には陸自から「水陸機動団」部隊が大型輸送ヘリコプター装備で参加しています。また同時期に、九州西方の東シナ海では海上自衛隊と米、仏、豪海軍による対潜水艦戦や防空戦の訓練も実施。中国に対するけん制がNATOの米同盟国を引き込みヒートアップしている状況です。

さらに懸念されるのは、安保法制で可能となった「米軍等の武器等防護」です。これは、グレーゾーン事態で米軍への侵害行為があった場合、自衛隊が米軍の防護のために武器使用ができるというもので、実質的な集団的自衛権の行使になりかねないものです。今の政権は、「米軍等の武器等防護」について実施件数しか発表していません。それによると2017年に1件、2018年には米艦艇に6件、2019年14件、そして2020年には21件と急増しています。

A米海軍横須賀基地、横浜ノースドック

米海軍横須賀基地は、米国本土以外の世界で唯一の「空母の母港」であるとともに、米軍のミサイル防衛体制の拠点でもあります。2018年にアーレイバーク級19番艦イージス駆逐艦「ミリアス」が「フィッツジェラルド」と交替して配備され、本年2月4日、アーレイバーク級65番艦のイージス駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」が「J・Sマケイン」と交替して横須賀基地に配備されました。

「R・ペラルタ」は、フライトIIAと呼ばれるタイプに属し従来のイージス艦に比べても多くの改良が施され、弾道ミサイル対処能力が向上していると言われる艦です。

同艦の配備をもって横須賀基地の米艦船は原子力空母R・レーガンを含めひきつづき12隻体制となり、BMD(弾道ミサイル防衛)能力を有するイージス艦は7隻で、米海軍の有する同種の艦の5分1に相当する陣容です。

さらに横須賀基地内には、米第74潜水艦任務部隊司令部も在り、巡航ミサイル・トマホークを有す原子力潜水艦の指揮中枢の役割も担っています。

前方配備として「前線」に近い横須賀の米海軍部隊は、米本国のそれに比べ訓練に要する期間は短くなっています。訓練不足による基本的技術の欠如や兵士の疲労が起因となり、2017年には6隻の米イージス艦が衝突、座礁の事故を起こしているのです。

しかし、イラク戦争でも開戦第一陣を担った、空母R・レーガンを中核とする米第5空母打撃群が、対中国戦略「航行の自由作戦」の中心部隊であることは疑いようもありません。台湾海峡「危機」によって、在佐世保基地の強襲揚陸艦部隊と連携した最新鋭の正規軍部隊間の戦闘が危ぶまれます。

また、米軍は浦郷弾薬庫に付属する桟橋の新設をする動きです。これまで、トマホークなど弾薬のイージス艦への積み込みは沖合で行っていましたが、岸壁で行えるよう専用桟橋を造る計画もあります。

一昨年11月2日、原子力空母R・レーガンの横須賀入港で、横須賀基地への原子力艦船の寄港は通算1000回を数えました。このような日常にもかかわらず、日本政府は「米艦船は原子力事故を起こさない」という米側の見解に追従し、国内の原子力施設に適用される原災法の米艦船への適用を拒んでいます。2016年、国は原子力艦への災害対策マニュアルを改定しています。しかし、防災体制を発動する放射線レベルを原子力艦についても原発と同様に100μSv/hから5μSv/hに基準変更するにとどまり、わずか3km以内される防災対策範囲(1q避難、3km屋内退避)はそのままです。港内で運び変えられる米原子力艦の核廃棄物を含めて、横須賀港と東京湾の原子力災害対策は安全神話と軍事機密のベールに閉ざされています。

かたや横浜ノースドックは、米軍施設ではあるものの、あくまでも輸送や補給のための港湾施設であるはずでした。またこの施設は、日本の航空法で認められた飛行場やヘリポートでもありません。しかし近年、横田基地から飛来する空軍ヘリコプターが離発着、旋回飛行を繰り返すとともに、日米合同演習、米韓軍事演習のための軍用機材の積み込み拠点の役割を担うなどその様相を一変させています。2018年4月には、横田基地配備の米空軍CV-22オスプレイ5機が、横浜ノースドックに陸揚げされ、CV-22配備の先鞭をつけています。昨年10月19日から東富士で始まった「沖縄米海兵隊県道104号線越え訓練」は、車両120台、人員約500名が参加する過去最大規模の訓練でしたが、その装備の一部も横浜ノースドックに陸揚げ。同10月26日から厚木基地で行われた地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)車両も同地で陸揚げされています。

B自衛隊横須賀基の陣容

米軍の動きと呼応するかのように海上自衛隊の横須賀基地は、その性格と機能を変えています。

30大綱、30中期防を受けて、ヘリ空母「いずも」が本格的な空母に改造され、運用されることが示され、専守防衛から敵地攻撃への飛躍が自衛隊横須賀基地から始っています。

防衛省は、F35を新たに105機購入する方針を2018年に決めましたが、そのうち42機は「いずも」など空母での運用を想定したF35B(STOVL機)とするとしています。「いずも」だけでなく「かが」も甲板とエレベーターなど、F35B配置に備える2回目の改修を行っています。なお、防衛省はその他にF4戦闘機の後継として42機のF35の購入を決めており、計147機ものF35戦闘機を購入する計画です。

昨年3月、海上自衛隊で7隻目となるイージス艦「まや」が就役し、海自横須賀基地に配備されました。同鑑は、巡航ミサイル攻撃を日米共同で察知する「共同交戦能力(CEC)」を海自艦として初めて搭載するもので、「総合ミサイル防空能力の担い手」と位置づけられ、日米共同行動の高度化をさらに象徴する兵備です。

また横須賀港内において、海上自衛隊の施設、機能を拡充する動きも顕著です。かつて「弾薬庫との関連はない」と横須賀市に回答していた比与宇地区の補給所について、国は「安全保障環境は厳しさを増しており、弾道ミサイル防衛システムの導入などで弾薬類が大型化し、弾薬庫の整備が急務になった」と説明を変え、大型弾薬庫2棟を2021年度末までに完成させるとしています。

こうした中、昨年2月2日、護衛艦「たかなみ」が、また8月30日には、護衛艦「むらさめ」が横須賀を出港し、防衛省設置法の「調査・研究」を名目に中東海域に向かいました。これらの派兵は、イラン核合意からアメリカが一方的に離脱したことに端を発する自衛隊の派兵でしたが、コロナ禍で無謀な長期派遣ではなかったのか更に疑問残る行動です。

C米海軍厚木基地 相模総合補給廠 キャンプ座間

2018年3月、回転翼機(ヘリ)を除き米艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐が終ったとされています。しかし、厚木基地周辺の訓練等による爆音が無くなったと言えるものでは到底ありません。2019年、第五次厚木基地爆音訴訟が8千人を超える原告の結集で提訴され、本年は原告本人尋問など重要な局面を迎えます。これまでの訴訟において、最高裁をはじめとする司法は、米軍機の差止請求を「国の支配の及ばない第三者の行為」であるとの理由ではねつけてきました。日本政府だけでなく裁判所までも、日本の法律が米軍には適用されないという立場をとってきましたが、国際的にも通用しないこの考えを、ふたたび覆(くつがえ)すための横浜地裁でのたたかいです。

他方、厚木基地は、日米部隊の区別なく「領域横断」を象徴するこれまでにない動きを見せています。

昨年9月15日、陸上自衛隊空挺団の習志野演習場への降下訓練が、横田基地所属の米空軍C130J輸送機を使い、厚木基地から陸自空挺隊員を乗せた訓練。

また10月26日から、米陸軍の地対空誘導弾パトリオット3部隊を米軍嘉手納基地から運び込まれ、2基PAC3ミサイルなどの展開訓練を行い、さらには、本年2月5日〜9月30日の間、米陸軍の「化学、生物、放射線、核(CBRN)対応訓練」と称する特殊な訓練が、厚木基地の自衛隊が管理する区域(2-4-b)で実施されています。

とくにこのCBRN対応訓練について、その内実はベールに隠され、「運び込まれる物資に危険物は無い」との米軍報告を鵜?みにするだけで、日本政府として確証のある確認をとってはいません。

一方、基地周辺でのヘリ部隊訓練はさらに多様な訓練が頻繁に行われています。

空母艦載ヘリによるカーゴスリング(吊り下げ)訓練、カーゴドロップ(投下)訓練、低空(ローパス)での周回飛行など低周波騒音の被害をもたらす訓練がさかんに行われています。

米海兵隊MV-22オスプレイばかりではなく、横田基地のCV-22オスプレイも飛来し離発着する中継基地の役割をみせています。

その上、空母艦載機の移駐後もジェット機騒音は繰り返されている実態です。自衛隊の相模湾沖の訓練空域が依然として運用される中、基地被害はつづいているのです。

また、2019年10月16日から駐留を開始した相模総合補給廠の第38防空砲兵旅団司令部は、グアムに駐留するTHAAD部隊などを指揮下に置く米陸軍ミサイル防衛体制の司令部です。この司令部組織が補給廠の中に設置されたこと自体が大きな意味を持っており、新たに戦術機器保守施設が建設されるなど、基地の恒久化の様相をみせていいます。

さらに、キャンプ座間には、陸上自衛隊の陸上総隊司令部日米共同部が座間駐屯地内を共同使用しており、在日米陸軍との緊密な連携がここで常態化しています。また、同キャンプ内には、580mの滑走路をもつキャスナー飛行場を有しており、空母艦載機の離発着訓練ばかりではなく、横田基地所属の米空軍ヘリも旋回訓練などを繰り返しており特有の騒音被害をもたらしています。

D首都圏を覆うオスプレイの影

開発段階から事故が多発し、米国内では飛行が厳しく制限されている垂直離着陸機オスプレイの問題が全国に拡散しています。

中でも東京湾を囲む首都圏域が、オスプレイ飛行の集中・集積するエリアになろうとしています。

防衛省は、米軍から購入するオスプレイ17機を佐賀空港配備が困難なことから千葉県・木更津駐屯地に「暫定」配備することを決定。2021年渡に納入を完了する17機すべてを1ヶ所に配備するとしており、5年の期限の「暫定配備」という国の説明ですが、木更津は自衛隊オスプレイの最大唯一の基地となる様相です。昨年の7月10日に1機が降り立ったのを皮切りに、本年4月5日、5機目の自衛隊V-22オスプレイが木更津に配備されています。

横田基地には、2018年10月、過酷な条件下での飛行・特殊作戦訓練を任務とする米空軍CV-22オスプレイの配備が始まりました。「2024年頃までに」段階的に計10機が配備される計画で、現在5機が横田に来ています。また横田基地には米海兵隊MV-22オスプレイの訓練もしばしば行われ、市街地での転換飛行モード、学校や病院上空の飛行など配慮事項は形骸化しています。高度からのパラシュート降下による基地の外への落下物事件も多発。同飛行場で行われる離着陸訓練、人員降下訓練、物量投下訓練、編隊飛行訓練、夜間飛行訓練は、戦時態勢並みの緊張感をもたらすものです。

このように、首都圏の空は、世界でも類例をみないオスプレイ空域と化しています。

しかし一方、2020年10月30日、防衛省南関東防衛局は、神奈川県に対し、県内の米軍基地に米軍機オスプレイが飛来した際の県への情報提供は今後出来なくなると伝えています。2014年の普天間基地配備以来、オスプレイが厚木基地や横須賀基地に飛来した際、その前後には防衛局から県は情報提供されHPなどで公表していました。米軍からの説明は「運用上の理由で従来のような情報提供は困難」というもので、国はこの回答に甘んじたままです。

また、在日米軍ヘリが首都東京の中心部で日本のヘリであれば違法となる低空飛行を繰り返し、米海軍ヘリ「シーホーク」が渋谷駅や六本木ヒルズ周辺を低空で旋回するなどした後、六本木の米軍ヘリポートに離発着し「タッチ・アンド・ゴー」訓練を行っている実態が新聞で報じられました。

E沖縄では

2018年12月、政府は辺野古の海に土砂を投入し工事を強行しました。2019年の県民投票をはじめとする沖縄県民の民意を踏みにじって辺野古新基地建設は続けられています。沖縄県が、行政不服審査法に基づく国土交通相の裁決を「違法な国の関与」として取り消しを求めた裁判で、昨年3月、最高裁は「国の機関も一般私人も手続きは異ならない」から「国交相の裁決も適法」という前代未聞の不当判決を下し、裁判所を舞台にするたたかいは厳しい局面におかれてきました。

また、4月17日に行われたバイデン新大統領との日米首脳会談、その共同声明は、「日米両国は、普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策である、辺野古における普天間飛行場代替施設の建設、馬毛島における空母艦載機着陸訓練施設等、在日米軍再編に関する現行の取決めを引き続きコミットしている」と声明し、無謀の上に無謀をかさねる辺野古新基地建設に根拠のない決意を両国首脳が表明ました。

基地建設はさらに物理的な困難に阻まれています。大浦湾に広がる海面下70mから90mの軟弱地盤の改良工事は工学的にも不可能で、90mの軟弱地盤のさらに70m以深も軟弱地盤であることが判明し、米下院軍事委員会では「2本の活断層があり地盤の不定性の懸念が高まっている」とも評価しています。にもかかわらず、建設をつづけるのは「政治主導の安保手法」そのものです。

埋立て用土砂の調達先の候補として、戦没者の遺骨が拾い上げきれていない本島の南部(糸満市、八重瀬町)を加える問題では、宗教者の共同声明「戦没者の遺骨が含まれている土砂を辺野古新基地建設に使わせてはなりません」と、新たな抗議の声が上がっています。

また、集落を取り囲むように新たなヘリパッドが建設されてき東村高江では、オスプレイ等米軍機の離着陸等の飛行訓練により、建設前に比べて60デシベル以上の騒音発生が5倍以上に増大している実態です。

一方、与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島、馬毛島などの南西諸島において、自衛隊新基地建設とミサイル部隊の配備が進められています。台湾有事を想定した敵基地攻撃に対応できる中距離ミサイル配備構想が、日米軍事当局の隠れた了解のもとで進められていることは明らかです。

県民の意志を顧みず、沖縄がまた前線基地の役割を強いられようとしているのです。

陸上自衛隊は、本年9月から11月にかけ、沖縄県南西地域の防衛を想定し、およそ14万人の隊員の大部分が参加する過去最大規模の演習を行う計画です。これだけの規模で演習を行うのはおよそ30年ぶりであり、島嶼防衛の地上部隊戦術を高めるものとしていますが、県政に対しても政治的な圧力であると地元紙は報じています。

馬毛島においては、昨年8月7日、防衛省が自衛隊基地の配置案を公表し、滑走路2本の造成、陸上自衛隊オスプレイやF35Bの飛行訓練のほか、米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)が想定されています。

2021年度は、沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画10年の最終年度であり、新しい振興計画に向けた策定作業が進められますが、振興策が基地建設の取り引き材料とならないよう、注視が必要です。

7.核兵器、そして再浮上する原発

2017年の採択から3年が経過した核兵器禁止条約は、本年10月24日、50番目となるホンジュラスの批准により、本年1月22日に条約は発効しました。

核兵器を「非人道兵器」と規定し、全面禁止する国際法が成立したことは画期的です。

菅首相は昨年9月26日、米ニューヨークで開かれた国連総会の一般討論でビデオ演説し、「核兵器のない世界の実現に向けて力を尽くす」と語るにとどまり、核兵器禁止条約については何ら言及しませんでした。日本が1994年から提出している核廃絶決議案も10月15日に再提出されましたが、内容は核兵器禁止条約についての記述もなく、「核の傘」論を容認した時代遅れの提案です。 核不拡散条約(NPT)再検討会議は、コロナ禍の影響で2020年4月の開催予定から本年8月に延期となりました。 前回2015年の再検討会議で、「すべての国々に対し被爆した人々及び地域とやりとりし、その経験を直接共有する」と、被爆者の想いが盛り込まれましたが、前アメリカ大統領のなどの新核兵器戦略のなか、NPT合意を無にする中距離核をはじめとする新たな核兵器競争の時代に入っています。

東日本大震災から10年、福島原発事故からも10年が経ちましたが、3万5千余りの避難者たちは今もきびしい生活を強いられています。東京電力は「被災者最後の1人まで賠償を貫徹する」と高言していたにもかかわらず、補償、賠償は次々と打ち切られている実態です。 また、年間被曝線量20mSvの基準も見直されていません。20mSv/年とは、国際放射能防護委員会(ICRP)が緊急時の基準として示しているもので、これまでの国内基準(1mSv/年)の20倍に当たるものです。

こうした中、昨年9月30日、仙台高裁において、国、東電に対する損害賠償訴訟で、高裁判決として初めて国の責任を明確にした判決を得ることができました。さらに本年2月19日には、千葉県などの避難者が訴えた損害賠償訴訟においても東京高裁は、国の賠償責任を認めなかった一審の千葉地裁判決を変更し、国と東電双方の責任を認める判断を示しました。

本年4月13日、政府は東電・福島第一原発で保管しているトリチウム等処理水について、2年後をめどに海洋放出する方針を決めています。この決定に対し、福島県漁協、茨城県漁協、そして銚子漁協をはじめとする関東の水産業者から強い反対の声が上がっており、「了解なき処理方針は約束違反」と訴えています。

日本原子力発電の東海第二原発(茨城県東海村)では、3月18日に水戸地裁によって防災体制・避難計画が十分に整えられていないことを理由に、運転を差止める判決が下されました。もともと避難の実効性は、原子力規制委員会の規制の枠外に置かれています。同判決は、その矛盾を指摘し、原発事故を拡大させないためIAEAが定めている「深層防護」の最後の砦である避難・防災(第5層)が、日本では自治体に責任転化されている安全政策の欠点を問うものでした。

福島原発事故ののち、54基あった原発はすでに21基が廃炉となり、日本国内の原発は「廃炉の時代」を迎えようとしています。しかし、高浜原発1号、美浜原発3号、女川2号機、そして六ケ所村MOX燃料工場が新規制基準に「適合」とされ、予断を許しません。

菅首相は就任当初、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることをめざす脱炭素化を打ち出しましたが、このスローガンの陰に原発の維持と新設、また破綻している核燃料サイクル稼働を誘引しようする意図が隠されている点を見過ごすことは出来ません。

一方、日本原子力発電は4月17日、東海第二原発(茨城県東海村)の使用前検査の申請書を原子力規制委員会へ提出し、再稼働へ向けた一連の手続きの最終盤に入りました。しかし、同原発はすでに40年を迎え、それをさらに20年延長し60年も運転させる「実験」に入ろうとするもので、「安全への絶対の義務」は放り出されていると言って過言ではありません。

8.差別・人権の問題、ヘイトスピーチ、教科書問題

@朝鮮学園・民族教育への政治差別

2018年8月30日、国連人種差別撤廃委員会は、日本の人権状況と政府に対する勧告を行いました。ヘイトスピーチに効果的対策をとること、元軍隊「慰安婦」に「被害者中心のアプローチを伴っていない」との指摘とともに、朝鮮学校が高校就学支援金制度の対象外となっている点を厳しく指摘し、同「生徒たちが差別されることなく教育機会が保障されるよう」求める勧告でした。

朝鮮学校に「高校無償化」を適用しないのは、朝鮮学校の生徒たちの教育を受ける権利の侵害であり、民族教育を受ける権利の侵害です。日本も批准している「こどもの権利条約」第30条には「種族的、宗教的若しくは言語的少数民族又は原住民である者が存在する国において、当該少数民族に属し又は原住民である児童は、その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し、自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。」とあります。

2010年4月30日、高校無償化制度から朝鮮高校のみが排除されて以降、各地でその撤回を求める裁判も行われてきましたが、司法が行政による差別を追認する判決が続いています。

そもそも高校無償化法によって支給される就学支援金は、「学校」に対してではなく、生徒「個人」に支払われるものであり、学校はあくまでも受給権者である生徒に代わって支援金を受領する「代理受領」を行っているにすぎません。どこで学ぶかによって支給の可否が問われるべきではないはずです。

さらに、2019年10月から始まった「幼児教育・保育の無償化」の対象から、朝鮮幼稚園が除外されています。

文科省は、幼保無償化から各種学校等を除いたことに対する批判が大きいことから、幼保無償化の対象外施設に対する支援策の検討のため各自治体への調査を指示し、現在18自治体から朝鮮幼稚園15施設が、支援すべき施設に該当するとの報告があがりました。文科省は、7月に入って、4県23市区町の44施設(朝鮮幼稚園13施設を含む)を調査対象とし各自治体に伝えました。

2021年1月には、文科省は幼保無償化の進める上で「地域における小学校就学前の子どもを対象とした多様な集団活動事業の利用支援」概要を発表し、地方自治体が必要と認めた場合に、対象幼児1人あたり2万円を上限に、市町村から直接保護者に給付する制度を進めています。しかし、@市町村などが必要と認めなければ支給対象とならないこと。A支給限度額が20,000円と、幼保無償化の37,000円より減額されていること。B財源の負担割合が国・都道府県・市町村がそれぞれ3分の1であることなどから、東京都など現在朝鮮学園に対する補助金を打ち切っている都道府県が負担を拒否する場合が予想されるなど、問題をもっており、ふたたび朝鮮学園系の幼稚園への差別化が懸念されています。

A入管法改悪

政府は、「出入国管理及び難民認定法の改正案」を今通常国会に提出、5月中旬から審議されています。これまでも日本の入管制度に対して多くの批判や疑念が滞日外国人から寄せられてきました。安い労働力として入国しながら、様々な事情でオーバーステイしてしまう外国人に対して、裁判所などの手続きを抜きに入管判定で拘束や強制送還が行われてきました。また日本の難民認定者数は、きわめて少なく、「本国での迫害のおそれ」の認定も狭い基準で判断されてきた点が、国連人権委員会で指摘されています。今回の改正案は、これら人権課題の改善のための改正ではなく、むしろ刑罰や威嚇のもとで、強制送還の措置を強める法改正となっています。

入管収容施設での長期拘置を改善すると言いながら、難民認定申請中は強制送還が停止される基準を縮小するなど、本国送還の規定を広げる内容です。

オーバーステイや不法就労をするに至る外国人にはさまざまな事情があり、それを前提として、入管行政は退去強制事由に該当する人であっても、日本への在留を認めるべき「在留特別許可」を慎重に考慮せねばならないはずです。名古屋入管に収容中のスリランカ人女性が3月6日に死亡しました。手遅れなって緊急搬送されている実態が明らかになっています。司法も介在せず収容施設で何が起こっているかも判らない入管制度を抜本的に改善すべきであり、本国送還の強制措置を高める法改正は時代錯誤であり排外主義そのものです。

Bヘイトスピーチと言論への圧力

2019年12月、川崎市議会において外国籍の住民を標的にしたヘイトスピーチに刑事罰を科すことを全国で初めて盛り込んだ「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が可決しました。罰則規定をもったこの条例は、ヘイトスピーチが犯罪であることを規定した点で画期的であり、評価できるものです。本年7月1日は条例施行から1年をむかえ、この条例の内実が検証されなければなりません。刑事罰規定も重要ですが、ヘイトスピーチを停止させる措置やネットモニタリングの実効性など、条例を具体的に運用する問題点はたくさん残されています。また、相模原市においても、市民の要求に基づき、本村市長が「市人権施策審議会」に諮問し条例制定に向けた議論が行われています。

ヘイト問題の経験と並行して、表現の自由、政治言論の自由を問う事件も相次いでいます。一昨年8月の「あいちトリエンナーレ実行委・表現の不自由展・その後」展の展示を擁護してきた大村秀章・愛知県知事に対し、リコール署名運動が行われてきましたが、約43万5000筆のリコール署名のうち、8割以上の約36万2000筆が偽造の疑いがあるという前代未聞の不正が起きています。「高須クリニック」の高須克也院長や河村名古屋市長もこの事件に関与されていたことが問題となっています。

今年4月24日に上映初日だった、横浜の映画上映館シネマリンの韓国人のキム・ミレ監督によるドキュメンタリー作品「狼をさがして」に対して、右翼街宣車などによる上映中止の圧力が行われています。同映画上映を予定していた厚木市の映画館はやむなく上映中止を余儀なくされています。

C歴史改ざんの教科書は

昨年7月から8月にかけて、2021年度から中学校で使用する教科書が採択されました。社会科歴史・公民において、これまでは育鵬社の教科書を使用していた自治体のうち、今回の採択で他社版に切り替えた自治体が多くありました。数年間にわたり粘り強く、教科書問題にとりくんできた市民運動の成果と言えます。埼玉県立中学校1校と千葉県立中学校2校の歴史、公民教科書が育鵬社版を継続決定した一方、従来の育鵬社版教科書から変えることを決定したのは、東京都立10校、武蔵村山市、小笠原村、横浜市、藤沢市であり、歴史改ざんと戦争賛美の教科書は退潮の状況をみています。

9.労働運動への弾圧とのたたかい

全日建連帯労組・関西生コン支部に対する激しい刑事弾圧に非難の声があがっています。

「関西生コン事件」は、全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)関西地区生コン支部に対する、@生コン業者団体による大規模な不当労働行為、A近畿2府2県の警察・検察による大規模な権力弾圧のふたつが表裏一体となった事件であり、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反是正を求める調査・申告活動(コンプライアンス活動)といった正当な組合活動を、威力業務妨害、強要未遂、恐喝未遂といった刑事事件とされて、のべ81人もの組合員が逮捕(起訴はのべ66人)、長期勾留された事件です。

「信じがたい弾圧事件を見過ごすことはできない」として、日本労働法学会の歴代代表理事多数をふくむ労働法学者78人が2019年12月に公表した抗議声明は「組合活動を理由とした刑事弾圧事件としては戦後最大規模」だとしています。

2019年4月、平和フォーラムは、鎌田慧(ルポライター)、佐高信(評論家)、宮里邦雄(弁護士、元日本労働弁護団会長)らとともに「関西生コンを支援する会」を結成。同年9月には大阪府警に対して不当逮捕された組合員らの早期保釈を申し入れるなど抗議行動にとりくみました。また、静岡、神奈川、兵庫などで「支援する会」が結成され、2020年5月の長期勾留組合員の早期保釈を求める警察、検察、裁判所宛の署名などのたたかいによって、2020年6月初めまでに武委員長(641日もの長期勾留)と湯川副委員長(644日)の保釈を勝ち取っています。

刑事裁判の展開はその後、大阪、大津、京都、和歌山の4つの地方裁判所で8つの裁判に分かれて審理がつづいており、2020年10月には大阪ストライキ第2次事件で大阪地裁が、また同12月には加茂生コン第1事件で京都地裁が、組合役員らに対し懲役8月から2年という不当判決を下しています。弁護団・組合はいずれもただちに控訴している状況です。

警察だけでなく裁判所も労使関係における不当労働行為についての理解もなく、ストライキ破りの業者団体の側に立ち、団体行動としての争議行為を矮小にとらえ、組合弾圧に手を貸しているのがこの事件です。

一方、労働委員会のたたかいでは、生コン業者団体が主導した大規模な不当労働行為事件について、ストライキ事件での不当逮捕が「会社の信用を毀損した」として支部副委員長らを懲戒解雇した事案で、昨年9月、解雇撤回と団交応諾を命じる全面勝利命令が大阪府労委から出されるなど、申立16件のうちすでに10件で各業者の不当労働行為を認定する救済命令が出され、現在、中央労働委員会で再審査が行われています。

また、支援する会は、本年2月14日、組合員や家族を原告とする国賠請求を東京地裁を舞台にスタートさせており、関東地区の労働弁護団が結集して府県警察を告発するたたかいに臨んでいます。

 2 平和運動センターの役割
憲法を守る取り組みがその内実を試されています。9条改憲は間違いなく日本の戦争の可能性を広げる岐路です。県内県外の基地、そして人権と生存権の行く末は、憲法が守られるか否かにかかっています。しかし、平和運動センターとここに参加する各団体と構成員において、憲法を守る意志の裏づけとなる学習が十分であるとは言えません。平和運動センターは、行動の一つひとつを通じて、憲法と平和の意義を私たち自身の組織に広げる取り組みを重点とし、各構成団体がこの学習を強める契機となるよう取り組みます。

神奈川平和運動センターは、平和を取り巻く厳しい情勢をうけて、その運動と組織をさらに発展、強化することが必要であり、今年度も構成組織の結束を強め県内労働団体・市民団体・政党と協力して活発に活動します。とりわけ中央・関東圏域における「フォーラム平和・人権・環境」や「原水爆禁止日本国民会議」、「全国基地問題ネットワーク」、「平和運動センター関東ブッロク連絡会議」と連携を強化し、「戦争をさせないかながわの会」を結集軸とした神奈川県内での改憲反対の取り組みに重要な役割を果たします。また、「かながわ憲法フォーラム」など神奈川県内外の広範な平和運動団体や市民運動との連携を一層強化します。
 3 今年の基本的な活動

(1)憲法改悪をゆるさない取り組み。
改憲発議と国民投票の動向を注視するとともに、安保法制の撤回を求め、集団的自衛権の実行を許さず、秘密保護法、共謀罪の廃止を求める取り組み。

(2)原子力空母の横須賀母港化撤回、相模総合補給廠への米第38防空砲兵旅団司令部の配置撤回、キャンプャンプ座間の米陸軍と陸自総体との日米共同部廃止など、日米軍事再編一体化に反対する取り組み。

また、「いずも」の空母化とF35の自衛隊機配備と飛行訓練を許さず、PAC3の武山基地配備や海上自衛艦へのSM3配備など日米共同のミサイル防衛計画に反対し、基地関係者の働く場の確保を前提に、基地の撤去・縮小を求める取り組み。

(3)厚木基地の違法爆音と岩国への国内たらいまわしを許さず、欠陥機オスプレイの訓練拠点化や自衛隊機のジェット化に反対し、飛行差し止めを含む第五次爆音訴訟勝利にむけた支援・運動強化の取り組み。

(4) ヘイトスピーチを根絶させ、地域社会に差別と排外主義が広がることを許さない取り組み。

(5)被爆76周年を迎える原水爆禁止運動など核軍縮・核廃絶の取り組み。

(6)脱原発、核燃料サイクル計画の放棄などエネルギー政策の転換を求める取り組み。

(7)加害の歴史をふくむ真実に基づく歴史認識を擁護し、北東アジア非核化など平和共存、対話と信頼、軍縮をめざす平和政策確立にむけた取り組み。

(8)「戦争をさせないかながわの会」をはじめ、連合神奈川や「神奈川人権センター」、「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会」など他の平和・人権運動団体との連携強化を図り、平和運動センターの組織を強化する取り組み。

 4 具体的な行動
(1) 憲法前文・第9条の改悪、有事法制を発動させない取り組みを進め、「集団的自衛権の行使合憲化」、「安保法制」の具体化など戦争のできる国家づくりに反対し、武器輸出の停止を求めます。

とりわけ、安倍改憲に反対する取り組みを「戦争をさせないかながわの会」を結集軸として、神奈川県域での運動基盤づくりにつとめます。

改憲発議の反対運動に最大限の役割を果たします。かりに国民投票が実施される場合、「戦争をさせないかながわの会」を通じ、国民投票運動において、改憲に反対する県内での宣伝活動等を担います。

これらの運動を「フォーラム平和・人権・環境」、「戦争をさせない1000人委員会」に結集し、また、連合神奈川や市民団体との連携を求めて取り組みます。

@ 改憲手続法である国民投票法の問題性を明らかにし、憲法審査会の強行開催に反対します。
A 「戦争をさせないかながわの会」への加入促進を図り、その活動を発展させます。
B 憲法についての理解と議論を深めるため、憲法地域講座を取り組みます。
C 第57回護憲大会に参加します。
  10月30日(土)〜31日(月)於・仙台市 
D 天皇制を利用しての国民意識の統合、「国家主義」の強化等の策動に反対します。
E 有事法制・国民保護法制を発動させないため対県交渉などに取り組みます。
F 中学校教科書採択について歴史、公民教科書の育鵬社版等、歴史を改ざんする教科書が採択されないよう取り組みます。また、道徳の教科化の問題点を追及しつつ、教科書内容と「教育勅語」復活の動きへの監視を強めます。
G 安保法制違憲訴訟かながわの会の取り組みに参画し、横浜地裁での訴訟勝利と集団的自衛権行使に反対して取り組みます。
H 特定秘密保護法や「テロ等組織犯罪準備罪(共謀罪)」など弾圧立法の問題点を明らかにし、廃止を求めます。
I 日本学術会議任命拒否問題を究明し、学問研究への政府介入に反対して取り組みます。

(2)反核・原水禁の運動を強め、「脱原発社会」をめざします。

被爆76周年、「核なき世界」にむけて「原水爆禁止日本国民会議」に結集し、「核兵器禁止条約」への日本の批准、被爆者援護法改正など反核・軍縮・原水爆禁止の運動を強化します。

@ 被爆76周年原水爆禁止世界大会に参加します。

  7月31日   福島大会
  8月5日〜6日 広島大会
  8月8日〜9日 長崎大会

派遣団結成・学習会を開催し、被爆者カンパや子供代表団の参加、高校生平和大使派遣事業に協力します。

A 県内平和行進は、7月27日〜30日の間で取り組み、地域の連帯活動として強化します。

※ただし上記@、Aについては新型ウイルス感染対策と上部団体の判断を勘案し実施します。

B 核兵器禁止条約への日本批准を求め、戦略核兵器および中距離核兵器全面廃絶に向けた運動強化をはかり、2021年NPT再検討会議に向けた取り組みに協力します。
また、北朝鮮やイスラエル、イランの核開発を始め、あらゆる国のいかなる核実験、核拡散にも反対し行動します。

C 福島原発事故の被害実態と避難措置解除の問題性を明らかにし、被曝者の援護・連帯をすすめ、速やかな情報開示と実効ある補償を求めます。

D 原水禁国民会議や「ストップ・プルトニウム神奈川県連絡会」などと連携し、脱原発、核燃料サイクル政策の放棄を求めて取り組みます。

また、引き続き『さようなら原発1000万人アクション』の活動に参加します。

E 核燃料再処理施設をはじめとする核サイクル政策の放棄を求めます。

F 原発新増設に反対し、老朽原発の即時廃棄、プルサーマル計画に反対し、原発の再稼動阻止に総力をあげます。

G JCO臨界事故23周年、水爆実験被災69周年ビキニ・デイ集会に参加します。

H 自治体に非核・平和条例を作る運動との連携を図り、反核平和の火リレーの取り組みに協力します。

I 原子力空母の核動力等の情報公開を求めるとともに、少なくとも原災法並みの地域防災体制の確立を求めます。

J 米原子力艦船の防災対策の不備を明らかにします。

(3)軍事基地強化を許さず、基地の撤去・縮小を求めて取り組みます。

横須賀を「母港」とする原子力空母の軍事行動面と原子炉事故の可能性の両面での危険性を明らかにし、配備撤回のたたかいを強化します。また空母随伴艦(イージス艦)の配備強化に反対します。

@ 空母母港化48周年抗議、原子力空母R・レーガンの配備撤回を求める神奈川集会を三浦半島地区労センターと共催して横須賀ヴェルニー公園で開催します。

  ※日時は10月1日を基本に調整します。

A 「いずも」の空母化とステルス戦闘機F-35Bの配備に反対します。

比与宇施設の弾薬庫建設計画をはじめとした海上自衛隊横須賀基地の増強に反対し、これら日米の横須賀基地の動きに対して、横須賀平和船団等と連携し、監視・抗議行動等を取り組みます。

B 相模総合補給廠への第38防空砲兵旅団司令部の移設撤回を求め、米軍のミサイル防衛(MD)機能のもとにはかられる補給廠の機能増強に反対して、「基地撤去をめざす県央共闘」「相模補給廠監視団」など現地の団体と連携してすすめます。

C キャンプ座間の陸上総隊司令部日米共同部の設立に反対します。

集団的自衛権行使を具現化した日米陸軍部隊の共同機能を告発するとともに、基地の縮小・撤去を求めます。これらの運動を「米陸軍第一軍団の移駐を歓迎しない会」など現地の団体と連携して取り組みます。

D 横浜ノースドックのヘリ基地化など機能強化に反対し、池子住宅地区及び海軍補助施設の増強反対と返還運動に取り組みます。

E 横浜開港祭などを通じた自衛艦、米海軍艦船の宣伝活動や生徒、児童への自衛隊体験学習や自衛隊員募集にかかわる名簿提出の強制等に反対し取り組みます。

F 県内の米軍・自衛隊基地の縮小・返還を求め、日米地位協定条文の抜本改正と基地従業員・関係者の雇用確保に取り組みます。

G 基地周辺に在る市民団体、労働組合の活動を制限また監視対象とするおそれのある重要土地等調査法案に反対します。

(4)厚木基地の違法爆音の解消、第五次訴訟の勝利をめざし、自衛隊ヘリ部隊等の増強に反対して取り組みます。また、「オスプレイ配備と低空飛行に反対する東日本連絡会」との連携を強化し、欠陥機オスプレイの配備、飛行訓練に反対します。

@ 結成60年となる厚木基地爆音防止期成同盟の運動の歴史と過去の裁判闘争の成果を共有化し、第四次裁判において横浜地裁、東京高裁が下した自衛隊機の飛行差し止め内容を米軍機にも適用させる課題など、裁判闘争を支援します。

A 厚木基地での米軍CBRN訓練、PAC3展開訓練、自衛隊投下訓練など基地の多用途化、基地の恒久化の動きに反対します。

B 米空母艦載機部隊の岩国移駐と自衛隊機の厚木基地移駐に反対し、対潜哨戒機・P-1配備に抗議し、「4・6文書」の遵守を求めます。

C 米垂直離着陸機オスプレイの厚木基地使用に反対し、低空飛行訓練の中止を求めます。

また、日米のオスプレイ機整備施設の厚木基地配備に反対します。

D 陸自木更津駐屯地でのオスプレイ整備と東京湾周辺での試験飛行と陸自オスプレイの木更津への暫定配備計画に反対します。

(5)平和共存、対話と信頼、軍縮を目指す平和政策の確立を求めます。また「人間の安全保障」理念の確立と周知活動をすすめ、戦争・紛争の根源となる地球上の貧困と差別の根絶、国際交流・連帯の強化、排外主義の克服、政治的表現の自由と確保をめざして取り組みます。

@ 日朝間の国交正常化・拉致問題の平和的解決を求め、中国・韓国などアジア諸国の友好・連帯を深める活動をすすめます。

他方、香港やミャンマーなど民主化をめざす市民への抑圧、弾圧に抗議する取り組みを行います。

A 朝鮮人などの強制連行等戦後補償の取り組みや「日朝国交正常化全国連絡会、同神奈川県民の会」の活動に参加します。

B 日の丸・君が代の強制に反対するとり組みや教科書採択の民主化を求める運動との連携を強化します。

C 「12・8不戦の誓い県民集会」の開催や普天間基地の即時閉鎖、辺野古新基地建設反対など、沖縄の基地負担の解消を取り組みに参加します。

D 神奈川人権センターと連携して、あらゆる人権の確立をめざします。特に、神奈川朝鮮学園への高校無償化、幼保無償化の適用と、生徒、保護者への補助金の再開を求めます。また、入管法の改悪に反対します。

E 日本第一党などによるヘイトスピーチ、ヘイトクライム根絶の活動を推進します。差別を根絶する実効性のある自治体条例の制定をめざします。

F 沖縄平和運動センター・山城博治議長にかけられた刑事弾圧や、右翼と警察が一体となって行なっている全日建・関西生コン支部に対する不当弾圧に抗して、その支援運動を取り組みます。

G 政治的表現、集会への参加など個人の社会活動の自由と、公的施設利用の権利を守ります。

(6)平和運動センター組織・運営の強化をはかります

@ 全国基地問題ネットワークや平和運動センター関東ブロック連絡会、「いのくら」共同行動委員会、歴史教育を考える市民の会など県内外の平和運動団体・市民団体とのネットワークを強化します。

A 連合神奈川など労働組合との連携をすすめ、労働組合など団体会員の拡大をはかります。

B 政党や各級議員、労働組合・団体の各OBGなどへの働きかけを強め、個人会員の拡大、推進と会員・運動団体との情報交流を積極的にすすめます。

C 役員会議・事務局会議・幹事会の積極的かつ有効な開催に努め、センター財政健全化の具体的取り組みを進めます。

 



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